これに対し、Googleで最高法務責任者(CLO)を務めるDavid Drummond氏はブログで、
「MicrosoftはPCに与えた不適切かつ違法な影響を、今度はインターネットに対して行使しようというのか?インターネットは競争が生み出す革新を奨励する世界だが、Microsoftはこれまでしばしば独占状態の構築を追及してきた、そして、その独占を新しい関連市場においても利用している。
これまで法律および規制に対する重大な違反を繰り返してきたMicrosoftによるYahooの買収は、同社のブラウザとOSの関係をめぐる不公正な慣行をインターネットにまで広げることにならないだろうか?」
David Drummond氏[訳:CNET Japan]
皆さんはどう思いますか?
Drummond氏の懸念は大いに分かります。
従来のマイクロソフトを見ていれば、否定できない意見です。オープン性を考えれば、まず、マイクロソフトによるヤフーの敵対的買収には否定的に成らざるを得ません。
尤も、競争のない独占市場が形成されてしまう事への懸念こそが基盤にある為、仮にグーグルが独占したとしても、個人的には“厄介”としか思えませんが。
国内ではYahoo! JapanとGoogleが検索市場を二分しています。
勿論、MSNのLive Searchがこれに着けていますが、先月23日より本格始動した百度(Baidu)日本語版が何処迄食い込んで来るのか、注目されています。
多くのインターネットユーザーにとって、それ程重要ではない、と思われる検索市場ではありますが、ほんの少しだけお付き合い下さい。
先月は全くこのブログを更新出来ずにおり、いきなりヘビーな内容で恐縮なのですが、インターネット上のサービスが特定企業に独占される事は大変な問題が懸念されます。
Drummond氏は電子メールとインスタントメッセンジャー、ポータルサイトでのシェア独占を主に主張していますが、少し話が広過ぎる為、仮に“検索”だけに絞ってみましょう。
以前、弊社営業が資料作りの為にインターネットで検索をしている際、その検索結果における情報の信憑性と私個人の情報とに差異があり、検索エンジンを問うてみると、営業はMSNサーチ(現Live Search)を、私はGoogleを使っていました。
以前のMSNサーチの検索結果は、大変、個性的な情報を提供してはいましたが、その検索結果の信頼性が高い、とは云い難いものでした。
営業がMSNサーチで検索をしていたのは、当時、Internet Explorer 6に標準装備されていたものをそのまま使用していた為であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
これが何を指すか、と云うと、国内での検索エンジンシェアを紐解く鍵になります。
国内シェアNo.1のヤフーの検索は、同ポータルサイトからの利用を主とし、これはプロバイダである事が最大の要因です。
Yahoo! Japanのユーザー層が幅広い理由は、上記から説明がつきます。
極一般的に(全てではありません)、ヤフーでの検索はライトユーザー、グーグルでの検索はヘビーユーザー、と云えます。
より簡単に説明しますと、ブラウザや検索エンジンを選択し、設定し直しているユーザーは、それ程多くない、事を意味しています。
ですから、「○○○で検索して下さい。一番上に来るのがウチです」と云うご連絡を頂いた際、「…え、ドコ?」と云う様な事が起こり得るのです。
では、検索エンジンが何れかの仕様に統一された時、どうなるのでしょう?
一見、上記の様な行き違いはなくなり、使用感は改善される様に思えますが、全ての情報が画一的になってしまうと、ディレクトリ検索以前のリンクを辿る方法でしかニッチな情報を手に入れる事が困難になり、益々、リテラシーの高低が問題視される状況に陥る事でしょう。
少なくとも、インターネットに情報源を依存するユーザーも増えて来ている事実がありますので、様々な問題が噴出します。
例えば、リスティング広告。高価なクリック単価を設定した場合、比例してトラフィックは増大します。
従って、特定の検索が市場を独占した場合、結果的に資金力のある法人の広告しか目にしない事を意味しています。尤も、不可解な情報商材を目にしなくなる事でスッキリとはしますが。
リスティング広告におけます検索市場とその利用法は後日、記載するとして、ユーザーが欲する情報が限られた提供箇所に絞られてしまうのは、大変、厄介です。
著名なサイトのページばかり検索結果で目にしても、それに信憑性があるとは云えないのがWebの特性です。
これに不安を抱くか否かはユーザー自身の判断、と云えますが、実際の処、ブラウザやプロバイダのポータルに依存するユーザーが多い事実は確かであり、仮に多くのアクティブユーザーを会員に持つ著名なサイトであっても、Web全域に対するオープン検索は殆ど利用されていないのです。
マス・メディアでもそうですが、1つの情報媒体がシェアを独占した場合、その影響力は図り知れません。
マイクロソフトがヤフーを買収し、何らかの制限(ユーザーの囲い込み)をした場合、これに対抗する手立ては極めて困難になります。
どこかのブログでグーグルの気概が足りない、マイクロソフトの言い分が正しい、ユーザーにとってオープン性は不用、面白いサービスがあれば良い、と云う記事を目にしましたが、グーグルとマイクロソフトの言い分は兎も角、オープン性はユーザーにとって必要ですし、サービスそのものの善し悪しは結果論でしかありませんし、サービスにおいて市場独占が有意義、とも思えません。
市場が独占される事でWebが閉鎖的な空間に押し込まれるのだけは避けて貰いたい、と思います。
新たなサービスやアイデアの悉くに既得権益を持ち出されてしまえば、発展するものも発展しなくなります。
既にハードはほぼ独占されています。
ユーザーが選択出来るのであれば兎も角、シェアに伴う仕様の変更によって変更を余儀なくされるのは大変、迷惑です。Vistaや地デジへの変更は、少なくともユーザーの多数が支持しているものではありません(新しいものが好きなら別です)。
願わくば、インターネットの規格迄一社独占されたくはないものです。
と云いつつ、選択肢があるにも関わらず、選択そのものをしないユーザーも多いのが実情です。
多くのユーザーがもう少しだけ、色々な情報に目を通される事を期待したい、と願っております。

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