2007年06月29日

リアルタイムなレスポンスの必要性

 以前、「テクニック無用!誰でも自サイトの反響がアップする方法」と云う記事の中で、電話番号の明記と電話でのアプローチ可能の旨を示唆、についてお伝え致しました。


 その後、『電話での問い合わせ「禁止」クレーム逃避の是非』と云う記事を目にし、その中で触れられているYahoo! Japan楽天の姿勢に、何とも釈然としない違和感を禁じ得ません

 6月25日、ネットレイティングスは2007年5月度のインターネット利用動向結果を発表し、Yahoo! Japanへの家庭からの月間利用者数が4000万人を超えた事を伝えています。
 且つ、ネット利用者の実に88%がYahoo! Japan運営の何らかのサイトを視聴し、その月間ページビューは318億PVと、世界第1位を記録した、とあります。
註:米Yahoo!…316億PV・News Corp. Online…296億PV・Google…212億PV・Microsoft…155億PV

 以前記載した「テクニック無用〜」での内容の本質は、ユーザーへの配慮にこそあります。

 今回、敢えて前記事と相反すべき点(ユーザー数とユーザーへの配慮における矛盾点)について見解を述べたい、と思います。


 先ず初めに、電話での応対を認めない企業の姿勢について、個人的には強い懐疑心を抱いております

 Yahoo! Japanの広報は「Eメールでの遣り取りは、質問内容を正確に把握し、明確な返答する意味で最適」と云うニュアンスの説明をしています。
 同様に楽天でも、基本的にEメールでの対応とした上、電話問い合わせについては「ユーザーとの遣り取りを正確に把握出来るものの、電話だと混線して繋がり難い」とし、柔軟な対応を、と含みを残しつつ、基本姿勢であるメールでの受け答えを主張しています。
 KDDI等が主催する「auオークション」では、電話番号の記載があるものの、オペレーターはメールでの問い合わせを案内するのみ、となっています。

 上記の各内容、一理あります

 手元に文節として残るメールでの応対は、明確な返答が期待出来ますし、後日、これを再び参照する事も出来ます。手順説明やURLの記載、特殊な操作法等のガイドについては、確かにメールの方が明瞭です。これを疑う余地はありません。

 しかし、これがメールでの応対を正当化する理由ではありません。これは“詭弁”です。

 メールのみでの応対、と云う体制を取る理由は大きく4つ。
1:激しいクレーマーが煩わしい
2:サポート人員の教育体制の不備
3:オペレーターを置かない事でコスト削減
4:問い合わせ内容と処理数のスムーズなデータ化と手間の軽減、管理のし易さ


 多種多様なWebサービスを展開している為、それぞれのサービスに対応し得る十分なサポート人員を各所に配備出来ないのがその要因であり、云い換えれば、展開するサービスにおいて予期し得るクレーム内容や問い合わせ数を把握出来ていない、と云うのが実情でしょう。


 現在、そして、今後もWebで注目されるのは“コミュニケーション”です。

 Sonyやdocomoが、mixiでのプロモーションに失敗したのは、コミュニケーションの拒絶が原因です。
 上記は販促における事情ではありますが、企業の視線は常にエンドユーザーに目を向けるべきであり、それはサポートやケアと云う面においても同様である、と云えます。

 確かに、Yahoo! Japanは、世界一のページビューを誇り、Webを取り巻くIT業界を席捲しているのは事実ですが、これは他に先んじてサービスを提供したと云う先駆者の優位性プロバイダ業務における基礎顧客囲い込みからなるアドバンテージであり、その体質やサービスそのもののポテンシャルにユーザーが惚れて込んでいる訳ではないのです。

 時代が進み、更に多様化したサービスが増えた場合、ユーザーがそれを選択する際に重要視するのは、コミュニケーションに他ならず、明確な応対は勿論、リアルタイムな対応こそ、必要不可欠なのです。

 社保庁の年金問題で24時間の電話対応が取られましたが、これはユーザー自身が“反応”を求めているからであり、これは“不安”から来るものです。
 社保庁の怠慢には呆れますが、リアルタイムなコミュニケーションツールである電話での応対をチョイスする、と云った只一つの点において、多くのIT企業が取りつつある自己本位な体質より“まし”なのです。
 不安、と云う心理状態は、自身の反応に対する相手の応対を感じ得て、始めて、対等なコミュニケーションが成立します。
 一方的なコミュニケーションの流れ、つまり、メールでの遣り取りを含むコミュニケーション間のタイムラグは、両者の感覚的な距離感を益々開き、これを埋め合わせには、膨大な労力が必要になってしまいます。
 不安はやがて“不信”に繋がり、自らの首を絞める事になるのです。

 どれ程サービスやテクノロジーが発展しようとも、それを利用するのは人間であり、その本質的な部分は変わりません。
 勿論、携帯電話の普及がもたらしたサービスへの依存、と云う現象は今後も引き起こされるでしょうが、人が社会において生きる事を前提とした場合、サービス提供者は常にユーザーを意識する必要性があり、コミュニケーションを一方的なベクトルで抑えるのは、時代の流れに逆行しています。


 メールでの問い合わせに回答がない、と云う相談に対し、「回答がない筈がない」と反論した者がいるそうです。

 こう答えた者は、何も分かっていません。
 相談者が、回答がない、と思った時点で、回答をしたかどうかは既に問題外なのです。
 メールが何らかの要因で届かない事は、ままあります。しかし、ここで重要なのは、回答したと云う事実確認ではなく、相談者に反応して見せたかどうかなのです。
 もし、相談者に対して誠意ある対応を取るのであれば、例えメールであったとしても、時間をおいて再送すべきなのです。

 ユーザー登録をさせるフォームで、パスワードやアドレスの確認用フォームが用意されているのを見る事が多いと思います。
 利用者を増やす時だけ丁寧にし、既存ユーザーはないがしろ、これではユーザー離れを食い止める事は出来ません。




 IT、それがシステム導入による社内環境改善であっても、Web周りのサービス提供であっても、企業が自己のメリットをユーザーへのデメリットより優先した時点で、最早、それはサービスとしては失格です。
 競合サービスが存在しない、或いは、競争相手が貧弱、と云う現状に甘え、傲慢な態度を取り続ければ、やがて、失墜する事でしょう。

 mixiを超えるSNSが現れるかどうか、この業界では時折、論争の的になりますが、そもそも、Yahooを超えるポータルの存在を意識すべきなのでは、と考えます。


 エンドユーザーを蔑ろにし、コミュニケーションを一方的な手法に閉ざすのは、果たして、ITと云えるのでしょうか?
 少なくとも、Web2.0の実態が、インタラクティブなコミュニケーション性に集約されると考えられる訳ですから、それは即ち、よりリアルタイムなレスポンスに比重が置かれるべきであり、旧態依然とした“情報の一方通行”では、将来性はありません。

 ITの巨魁が、その巨体故にITの将来象を見越せない、或いは、対応出来ないのであるとすれば、主役が入れ替わる可能性は大いに有り得る筈です。

 エンドユーザーを理解し、エンドユーザーに最も近い感覚を維持し続ける事の出来るクリエイターを期待し、又、そうあるべく努力をして参りましょう。


posted by EINS at 16:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | HP観察記 | この記事をはてなブックマークに登録 | この記事をYahoo!ブックマークに登録 | この記事をBuzzurlに登録 | この記事をニフティクリップに登録 | この記事をlivedoorクリップに登録 | この記事をdel.icio.usに登録 | トピックイットに投稿する
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