2007年05月23日

Edge Feeder

 5月18日、株式会社サンブリッジが、Webベージを伴わずRSSフィードの生成・配信を行うサービス「MODIPHI」β版をリリースしました。
 早速、活用してみようと登録をし、記事をエントリしてみました。

 どうもSafariでは記事が表示されない様なので、IEやFirefoxから登録、その使用感を見てみました。
 アメリカでは既に「FeedXs」等のEdge Feederが存在しています。
 Edge Feederとは、情報記事毎にフィードを生成し、配信するメディア、或いはサービスを指します。

 現状、フィードを活用する上において、間違いなく最良のサービス、と云えますが…
 過渡期故の、新サービス故の盲点、或いは取り上げられていない難点があります。

 フィードに着目し、高い技術とこれを新サービスとして公開するに至った、と云う素晴らしいアイデアと背景を認め、更なる発展性を願いつつ、現行サービスの問題点を考えてみましょう。


 弊社では過去、また、現在においてもフィードの活用を積極的にご提案させて頂いております。
 とは云っても、Edge Feederを有している訳ではないですから、従来型のRSSフィードの活用法を闊達に、その特性を活かし、お奨めしております。

 なかなか、伝わりにくいフィードの有用性ではありますが、記事をアップした時点でユーザーへの情報伝達が完了する、と云うRSSの強味は間違いありません。


 では、Edge Feederはどうでしょうか?

 極めて有用性は高い、と云えます。しかし、問題点が。

 『MODIPHI』を利用する事で、ホームページやブログを伴わずにRSS配信が行えます。これはEdge Feederの強味であり、事実です。活用法を間違えず、他サービスと複合させる事で効果的なアプローチを生む可能性があります。

 ですが、modiphi事業部エグゼクティブ・プロデューサーの小川浩氏の話を聞くに、ユーザーの求め得るのは情報であり、この情報をEdge Feederにより配信し、ユーザーがこれを収集すれば、Webページは不要、との事。

 この意見には全く残念です。
 Edge Feederの有用性は間違いありませんが、情報発信と云う只一点に着目し、これをもってEdge Feederの全てと為すのは、余りにも狭義であり、MODIPHIそのもの将来性に疑問を抱かずにはおれません。

 そもそもRSSフィードの効能は、既存ユーザーや見込顧客へのアプローチに有効であり、不特定多数の第三者に向けられるものではありません。
 また、Webマーケティングの強味は、ブランドを有さない企業であってもPull型マーケティングとして展開でき、潜在的な顧客とのマッチングが計れる点にあります。
 もし、Edge Feederのみの情報をもって全てがなされる様になったとしたら、その情報の秘匿性において個人間メールに劣り、開示性と明朗さにおいてWebページに劣るのです。

 Edge Feederが、今のままで訴求力を有する為には「貴重な情報源」若しくは「エンターテイメント性」の何れかを発信者としてMODIPHIサービス内に囲っておくしか方法はありません。
 現状において、ユーザーの飛びつく、或いはRSSリーダーで集積し得る情報と云うものは、余程稀少な情報か流動性の激しい情報、或いは、画像や動画、音楽を伴うエンターテイメントに限られ、即ち、MODIPHIそのものがユーザーを獲得しなければ全く無意味なサービスになりかねないのです。
 また、記事を読むだけであればソーシャルタギング、或いはパーソナル検索等の機能があれば十分であり、RSSリーダーに読み込んで迄その記事を読んでくれる、と云うユーザーを獲得、或いは教育(RSSリーダーの使い方とその利便性他)するのは至難の業、と云えます。
 少なくとも、現状においてMODIPHIβ版には、RSSリーダーで記事を読むエンドユーザーへのケアやサービスは乏しいもの、と思われます。


 RSSフィードの配信による情報通達は、メールよりも遙かに効率は良いものの、RSSリーダーそのもののユーザー数を増やす、或いは確保する必要があるのです。
 そして、RSSリーダー利用者を獲得する為には、そもそもEdge Feederの理論や発想とは無縁のプロモーションやアプローチ、仕掛けが必要なのです。
 現状、直ぐにこれを転用出来るのは、従業員の多い大企業での社内報程度、と思われます。
 正直、ユーザーに労力の負担を強いて迄、提供し得るだけの情報を発信し続けるだけの情報源があるとは思えません。
 Edge Feederの優位点は、ユーザーの興味・関心ある情報だけを独占的に集める事が出来る選択幅を与えるサービスである、と云え、これは同時にユーザーへの負担を要求するものでもあります。

 そもそも、ユーザーを訴求し得るだけの情報源であれば、欲している情報以外の情報であっても貴重、と云えます。これは謂わば、ファン心理、にも共通する事ではありますが、例えば、好きなミュージシャンがいたとすれば、その歌以外の活動(MCやファッション、関心事等)にも目を向けるのがユーザーです。
 つまり、Edge Feederにおける有用性の本質は、ユーザー目線での選択肢そのものではなく、情報発信者側によるOne to Oneマーケティングに適している、と云い切れます。

 小川氏は、YouTubeやWikipediaの名を出し、MODIPHIの需要はユーザー自身のリテラシーによって解決する、らしき発言をしておりますが、両者は根本的に違います。
 前者はブラウザ内で完結し、後者はブラウザ外の別アプリの利用を含みます。
 即ち、MODIPHIの成功は、Edge Feederサービスを展開し、Webページ不要論を唱えた時点で、RSSリーダー利用者確保、若しくは増加させる為の何らかのギミックやアイデアを盛り込まない限り、成し得ないのです。

 MODIPHIの今後の展開について、法人向けASP提供や他社ブランドでのOEM展開、と述べられているので、やはり、記事の読み手、つまり、情報を欲する側に目線が向いていないのは明らかです。
 凡そ、メルマガ代わり、或いはイントラ用のサービスになるでしょう。コストが安ければ普及しますが、果たして、既存CMSとどの様な差を盛り込む事が出来るのか、注目です。


 一つ、注意して下さい。
 Edge Feeder自体は、大変、優れたサービスです。
 また、これに取り組み、開発なされたMODIPHIは、その存在だけでも大したものです。ウチではとても、開発する資金がありませんでしたから、有り難く活用させて頂きたい、と思っています。

 願わくば、よりリアルでユニークなアイデアを伴ったサービスであれば良かったのですが…

 何れ、ウチが何か作りますんで、宜しくどうぞ。


posted by EINS at 00:32 | Comment(0) | TrackBack(1) | WEB活用術 | この記事をはてなブックマークに登録 | この記事をYahoo!ブックマークに登録 | この記事をBuzzurlに登録 | この記事をニフティクリップに登録 | この記事をlivedoorクリップに登録 | この記事をdel.icio.usに登録 | トピックイットに投稿する
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