2010年05月05日

初期市場とリテラシーの高さは比例しない

 つい先日、TechCrunchに掲載された「Facebook, The App Store, And The Sound Of Inevitability」と云う記事を見ました。

 私個人としては、概ね、この筆者MG Siegler氏と同意見であり、一時代において膨大なユーザーを得たとしても、クローズド環境がウェブを支配する事はない、と思っています。
 海外においてFacebookが猛威を振るい、Twitterが国内で流行り、App Storeが顕著なクローズドシステムを実施していますが、成長過程、若しくは、その一端を見て、短絡的な予言してしまうのは危険な事です。

 そんな中、この様な記事を見付けました。
Googleの時代の終わり

 この記事そのものは、Tara Hunt氏の著書「ツイッターノミクス(TwitterNomics)」を紹介する為だけのものであったので、特別問題視するつもりはありませんが、大きな勘違いがあります。
 もし、これを読んでWebマーケティングの指標としてしまうと手痛い失敗をする恐れがあります。

 それが、ITリテラシーにおけるナンセンスな誤解、についてです。

 今回は、この辺について少しだけ記載して行きたいと思います。





 「Googleの時代の終わり」の著者の目的が「ツイッターノミクス」の紹介である事は一目瞭然ですが、何故、Googleの名を出したのでしょうか?
 残念ながら、Googleの企業体質なのか、そのサービス内容についてなのか迄、読み取る事が出来ないのですが、凡そ、この記事で取り上げているは、検索エンジンを指すオープン性についての事なのではないか、と推測されます。

 皆さん、ご存知だとは思いますが、Googleもクローズドサービスを提供している訳です。最たる例としては、Gmailであり、様々な関連サービスと連携を持ち、同様に外部サイトとの連動性も多く見られます。
 これが上手く行っているかは兎も角、この筆者はGoogleとTwitter/Facebookを比較しているのですから、恐らく、ソーシャルメディアとしての取り組みと云うよりは、オープン性とクローズド性、検索エンジンとソーシャルメディアを比較しているのではないか、と思われます。
 若しくは、もっと単純にユーザーの増加率の事かも知れません。

 もし、私の推測が当たっていれば、大分、Googleを勘違いしていますし、同様にTwitterやFacebookも誤解している気がします(勿論、誤解するのは自由)。
 誤解するのは仕方ありません。
 某大手IT企業のマーケティングの責任者でさえ、米国の某ソーシャルメディアのディスカッションに参加した直後、第二のFacebookたり得る真新しいSNSを探す事に必死になり、後発のユーザー数が乏しいサービスを羅列し、賞賛を贈っていた記事を先々月見ました。

 サービス内容や何が流行るかに関して、誤解や先走る事に特別問題はありませんが、気を付けて貰いたいのは“リテラシー"についてです。
 この記事では、ITリテラシーの記述があるので、これだけに言及して行きますが、どうもこの筆者の場合、リテラシーと云うものを情報通、或いは、IT関連サービスの初期市場導入者達と勘違いしている様に思えます。

 ITリテラシー、凡そ、狭義な情報リテラシーを指す場合、本来の意味は、ITを自身の目的の為に行う活用術全般を指し、使いこなせるかどうかを現します。
 従って、早耳でもなければ、地獄耳でもなく、況して、新しもの好きを指す語ではありません。
 ITを使いこなす訓練をすれば、ITリテラシーは誰でも向上させる事ができ、先天的な能力でも何でもありませんし、そもそも情報を早読みする為のアンテナ力ではありません。

 この記事の中に、ITリテラシーの高い者はGoogle AdSenseをクリックしないのではないか、と言及されていますが、根本的な間違いです。
 ITリテラシーが高い、即ち、自己目的の的確なIT活用術においてPPC広告が役立つのであれば、当然の事ながらクリックします。同様に、不要であった場合はクリックしません。
 要は、どちらも選択し得るだけの自由の幅がある、と云うだけの事です。

 何故、クリックしないのですか?
 ユーザー自身が欲している情報、或いは、目的が明確であり、これに該当するリンクであれば、そもそも広告であろうがなかろうが、関係なくクリックしますよね?

 リスティング広告をクリックしない理由は大まかに分けて4つ。
 1つは、そこに表示されている広告が不要だった場合。
 もう1つは、表示されている広告ではない、別の何かの情報を探求する場合。
 3つめは、時間的な都合。広告の類であれば、再度、閲覧可能であろう事を予測し、後回しにする事が出来る、と云う判断から。
 そして最後に、ユーザーの何等かの心理的作用により広告の類をクリックしたくないと云う感覚を有する場合。

 概ね、ITリテラシーとは無縁です。
 有益な活用術を模索する者が、自ら選択肢を狭める意味が分かりませんし、そもそも、無関係です。
 広告をクリックしたくない、と云う心理要素は確かに存在し、これをマーケティングに取り込み、広告要素を取り除く試みは、ITなんて言葉が存在する遙か昔から存在しています。
 従って、ITリテラシーと括るのは、明らかな勘違い、と云えます。

 話は前後しますが、そもそも紹介しているツイッターノミクスですが、そもそもSMMについて言及されているものです。
 この本の著者Tara Hunt氏は、Rogue Strategies社の代表で、SMMの仕掛け人です。
 原書は「The Whuffie Factor: Using the Power of Social Networks to Build Your Business」と云い、Whuffieと云うWeb上での人物評価を仮想通貨に見立てた概念を説き、これが本書の基盤となっています。

 Whuffieが何であるかは本書をご覧頂ければ良いのですが、こんなサイトもあります⇒『The Whuffie Bank
 本記事は、この本に対する意見や感想を述べるものではありませんから割愛します。

 只、1点、本書はSMMに関する独自解釈、特にウッフィーと云う要素による紹介と解説なので、ソーシャルメディアマーケティング全般を取り扱ったものではなく、同様に翻訳されたタイトルにあるツイッターにおけるマーケティング解説書ではありませんのでご注意下さい。


 冒頭、敢えて私は、オープンかクローズドかで、オープンの勝利を予想したのですが、これは、今回気になった記事の著者が、恐らく、検索エンジンとソーシャルメディアの関係性について言及しているものと想定し、敢えて、これを否定する為にです。

 Googleを1企業と考えた場合、必ず法人には寿命がありますから陥落する事があります。
 しかし、そもそも国内シェアではGoogleがトップと云う訳ではありませんし、そもそもFacebookの国内利用率は低く、mixiをご覧頂ければ分かる通り、既にオープンにしています。

 海外で流行っているから、或いは、国内で流行り始めたから、また、それを利用しているからITリテラシーが高い、なんて考え方は野暮です。
 グローバル化と地域特性は全く別物であり、ITリテラシー等の語で括るものではありません。

 ソーシャルメディアを活用するのは、ソーシャルメディアの持つ特性を活かす為であり、別のマーケティングを疎かにするものではありません。
 そんな話は、Google AdWordsとYahoo!リスティングを二者択一するぐらいナンセンスです。
 目標となるターゲットが明確であれば兎も角、どちらか一方だけを選択すれば良い、と云うのは大変、リスキーです。
 敢えて云うのであれば、ソーシャルメディアが今来ているから、SMMだけをやれば良い、と云うのは危うい、と云う訳です。

 本来、SMMを奨めている私が、ともすればSMMを否定している様に感じるかも知れませんが、そう云う訳ではありません。
 何事も視野を狭くしてはいけない、と云う事が云いたいだけに他なりません。

 狭い観念に縛られず、変化に柔軟に対応でき、且つ、それを活用し得る能力を磨く事、それが大事です。是非、気を付けてみて下さい。


 それでは、アリーヴェデルチ♪


◎この記事を読まれた方は下記のエントリも読まれております。
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posted by EINS at 20:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | HP観察記 | この記事をはてなブックマークに登録 | この記事をYahoo!ブックマークに登録 | この記事をBuzzurlに登録 | この記事をニフティクリップに登録 | この記事をlivedoorクリップに登録 | この記事をdel.icio.usに登録 | トピックイットに投稿する
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