2010年05月03日

「デキビジ」の対談『勝間和代vs西村ひろゆき』を見て

 BSジャパンが毎週日曜、夜8時から放送している番組『デキビジ』。

 実は全く見た事がありません。この時間、他に見たい放送がありますから普段、見ません。当然の事ながら2日にはこれを見ず、本日になってYoutubeで見たのですが、正直、驚きました。

 何に驚いたかと云うと、勝間和代氏の視野の狭さと排他的な思想にです。

 先週金曜深夜(正確には土曜)、『朝まで生テレビ!』にも出演していた勝間氏ですが、その時もITに関してこそ、堀江貴文氏や猪子寿之氏に迎合していたものの、殊、経済論や政策論においては、形骸化して何等新しさもない理想論で堀江・猪子両氏を見下した発言をしていたので、鼻持ちならない感じではありましたが、この『デキビジ』での西村博之氏との対談で、正に浮き彫りになったのではないでしょうか?

私は堀江貴文氏や猪子寿之氏、西村博之氏の意見や理論の全てに賛同している訳ではありません。

 本来、ディスカッションですから、当事者以外はどちらかの意見に自身との共通項を見出すしかない為、どちらが良いか悪いか等はなく、突き詰めれば、どちらの意見が好きか嫌いかになってしまいますから、わざわざこのブログで取り上げるべきではありませんが、ITに纏わる内容も出ておりましたので、記述する事に致しました。

 実際にYoutubeにアップされた動画と共にご覧下さい。



 最初に白状しておきますが、私は個人的に勝間和代氏の理論や考え方に対して、以前から懐疑的、端的に云って嫌いです。

 何がどう反対で、どこがどう嫌いなのか…これを書き始めてしまったら膨大なテキストになってしまいますから割愛し、ここでは、あくまでも『デキビジ』における西村博之氏とのディスカッションにおいてのみ言及しておきます。

私が勝間氏を嫌う理由等ではなく、あくまでも対談において珍奇で稚拙な論説を取り上げるだけです。

 まず、実際に見て頂くのが一番分かり易いと思いますので、ご覧下さい。

【勝間和代vs西村ひろゆき】





 ご覧頂けましたでしょうか?

 まず、1の動画では「ネットの匿名性」と「若者の起業促進」について。
 2は「若者の起業促進」の続きと「国民幸福度」について。
 3はアナウンサーを交えて「「国民幸福度」についてのまとめです。

 終始、勝間氏とひろゆき氏の意見は噛み合っていません。
 これは実に簡単です。
 自分の価値観と云うフィールドに引き込みたい勝間氏に対して、より世間一般の目線、即ち、社会全体と云う広いフィールドからブレないひろゆき氏に接点がないからです。
 勝間氏の理想論に対し、ひろゆき氏の現実論。
 しかも、理想論を語る為には理屈が必要になるのですが、勝間氏よりひろゆき氏の方が遙かに理路整然と論理的に語る為、勝間氏は小気味良い程、ひろゆき氏に論破されて行きます。

 ネット上での匿名性云々を勝間氏は語っていますが、IPアドレスを探れば特定可能である事を自身で認めており、署名においてのみ言及し始めます。
 IPアドレスからのトレーサビリティを本当に理解しているのであれば、勝間氏が自身で云っている匿名性が本来の意味での匿名性を担保しているものではない事も理解しなければなりませんから、そもそも署名において本名である必要性はどこにもないのです。
 挙げ句、トレーサビリティのコストの問題を挙げ始めますが、誹謗中傷をテキストから判断する上で、その署名は全く意味をなさず、コスト的には等価である事をひろゆき氏に見事に論破されています。

 ここにおいてひろゆき氏は何1つ、自身を守っていません。
 守っているのは、勝間氏の方です。
 要は、自身が誹謗中傷に晒された時の対処について、名無し相手では噛み付く事が出来ない為です。当然の事ながら、トレーサビリティ等余程の事がない限り、プロバイダに請求する事はないでしょう。何故なら、無意味だからです。
 これは正に、ネットを知り尽くしている者と知った体で話す者の差です。
 ひろゆき氏は、誹謗中傷だろうと無視します。荒らし対策には無視、ノーリアクションが最適だからです。たまに反応する時は、より効果的な手法を披露します。
 勝間氏は、誹謗中傷を無視出来ません。プライドが許さないからです。しかし、有効な対策を何等持ち合わせていません。あるとすれば、法的な手続きを取るだけ。ですが、不特定多数の署名の無いユーザー相手に法的手段を執る事が不可能である現実を知っています。
 その為、サービス提供者にトレーザビリティを義務付けたい、と願っている訳です。
 要は、自身で支払うコストをなくす為、サービス提供者にコストを負担しろ、と云っている訳です。
 しかし、待って下さい。個人情報保護法はどうなるのでしょうか?
 個人的に個人情報保護法は悪法だと思っていますが、サービス提供者がユーザーの特定をし易くし、これを第三者に開示させてしまったら、益々、混乱は広がるのではないでしょうか?

 つまり、ネット上での匿名性を解消したいと願うのは、著名人である勝間氏の個人的願望でしかなく、何等公共性や社会性、法的根拠を持たない愚策と云う事です。
 等しく著名人であるひろゆき氏に軽やかに論破されてしまった為、リアルでの話を持ち出し、名刺(個人を特定すると云う意味合いで)を配るか否かを聞き出すものの、公開された場、即ち、演者と閲覧者と云う立場で個々人を特定している訳ではない旨をひろゆき氏が語ると、自身から振ったにも関わらず、ネットとリアルは違う等と支離滅裂になります。

 ここで最悪なのは、勝間氏は“写像"と云う言葉を使います。
 ひろゆき氏は写像の意味が分からない、と語ります。
 すると、「ダメだコレ」と見下します。
 正直、勝間氏の性根を如実に顕す酷さです。
 写像と云う言葉を知っているかどうか等、関係ありません。
 私は写像と云う言葉を知っていますが、勝間氏がここで云う写像の意図が分かりません。
 インターネットがリアルの写像?何を云ってるんでしょうか?
 ディベート等で論拠が失われると、殊更、無味乾燥な語彙で修飾し始める者がおりますが、正に勝間氏がそれです。
 リアルの写像がインターネットと思い込む発想って、いつの時代でしょうか?
 勝間氏の中では、インターネットは、アリスの迷い込む不思議の国なのでしょうか?話を聞く限り、勝間氏にとってはインターネットは不思議の国の様ですが。

 そもそも、パーソナルブランディングで食べて行く人間にとって、実名、或いは、ペンネームの持つネームバリューは重要ですが、一般的な多くの人々にとって、実名によるブランディングは不要、時には隠匿したい場合もあるのです。
 逆に、ハンドルネーム等、ネット上での呼び名でブランディングする事も可能であり、何れにしても、匿名性云々、勝間氏の云う処の署名における実名性等、何等意味を持たないのです。

 こんな事、誰でも分かる事です。
 例えば、選挙を見て下さい。
 投票する際、個人名を書きますか?匿名ですよね?トレーサビリティもないのです。
 ある程度の匿名性があるからこそ、意見する事も出来るのです。
 もし、インターネットで選挙が可能になったら、逆に匿名性を是が非でも担保しなければなりません。そうでなければ、リアルでの投票とに格差が生じてしまう為です。
 勝間氏は、こんな民主主義の最も基本的な事さえ知らないのでしょうか?

 次に若者への起業促進ですが、これも勝間氏の勘違いから暴走が始まっています。
 起業する事が善だと思っているのです。

 ひろゆき氏に、勝間氏は若者に元気があるか否かを問いますが、そんなものは個々人の自由と至極まっとうな回答をされてしまいます。
 更に勝間氏は、若者の雇用問題を取り上げますが、ひろゆき氏は既存企業の努力を説きます。
 勝間氏は得意の海外との比較を出し、若者が起業出来る環境、正確には資金面の調達について語りますが、あまりにも浮世離れしていて、全くリアリティがありません。

 勝間氏は起業する為の1,000万円を出すエンジェルがいない、と語りますが、そもそも、起業するのにエンジェルの力を借りる者等極少数です。これもひろゆき氏に論破されます。
 勝間氏は、更に1,000万円を貯蓄する、と続けますが、1,000万円を貯蓄出来る若者はほぼ皆無である、とひろゆき氏に覆されます。矢継ぎ早に、1,000万円を出資して貰う、と話を進展させたい勝間氏に対して、ひろゆき氏は、1,000万円を借りられる若者等皆無であり、そんな金融がない事でこれも論破。

 何故、悉く論破されるか?
 当然です。勝間氏はVCによる出資構造しか若者の起業を促進させる術を持ち合わせていない為、実際の起業家達の資金調達法を全く理解していないからです。
 もし、VCが無闇やたらに出資したとしたらどうなりますか?
 サブプライムローンと同じ様な金融危機が再び起こるだけです。
 現実と云うものが全く見えていません。

 やがて、若者の幸福度の話になりますが、ここでも視野の狭さが露呈されます。
 格差社会による資産価値に焦点をあてた幸福度を推す勝間氏は、皮肉な事に命の重さにおいてひろゆき氏に論破されます。
 まるで、どこかの政党の様に、国防能力を持たずに外交政策のみで平和が保てるかの様な理想論に等しい、実に陳腐な話です。

 各国の調査を、様々なファクターから調べ上げたとする勝間氏の幸福度、及び、その指標が、如何に稚拙で無意味であるかと云う事を、さらりとひろゆき氏に躱され、そのファクターそのものが勝間氏の願望からなるファクター、即ち、数値そのものが理論構築の為の都合良いデータである事を見抜かれます。

 最終的に勝間氏は、悉く論破されてしまった為、論拠におけるポジショニング争いがどうのこうの、と述べ始めます。
 驚きました。これ、ディスカッションではなく、カンバセーションだったんですね?
 しかも、ポジショニングについては、端から自身のフィールドに引き込む様、誘導しておきながら、譲り合わない、より正確には、ひろゆき氏が譲らない事を責めます。
 勝間氏の都合の良さに、正直、徒労感さえ感じます。

 最後のまとめでは、アナウンサーも含めて話をしますが、これまた通り一辺倒な理想論で話になりません。
 幸福度って、必要ですか?
 日本は、その幸福度とやらが世界的に平均以下(90位)らしいのですが、それが何を意味するのですか?

 勝間氏は、終始、グローバルな観点と云うポジションを取りながら、実に狭いフィールド(自身の思い描く理想)で、実に日本人らしい感覚(諸外国との比較、主にOECD諸国)で幸福度を語っています。
 OECDは30ヶ国ですが、幸福度が90位?しかし、勝間氏はひろゆき氏にOECD諸国と比較、と語っています。ひろゆき氏は幸福度は個々人の主観(ベースとなる幸福の始点)が異なると云っています。
 これも明らかにひろゆき氏の方が一般的であり、格別なのは、最後の締めで遊んで暮らしたい、と云う、より根源的、且つ、人間的な欲求をさらっと語ります。

 極自然な言葉で極当たり前の事を語るひろゆき氏と理想と社会的立場で表層を繕った上辺だけの勝間氏の意見とは、どちらの器量が大きいか、一目瞭然です。

 これは何も、この番組だけではなく、先週の『朝まで生テレビ!』出演時の後半、実につまらない経済論を語って、堀江氏や猪子氏を小馬鹿にした態度をとった事と重なります。
 勝間氏は、自身の理想に迎合しない者は、小人物扱いし、すぐに馬鹿にします。
 本人にその気がないとしたら、その態度を改めるべきです。大変、不愉快です。


 以前から、奇天烈な指標を元に理想論を語っており、その言に何等リアリティを感じず、その理論が好きではありませんでしたが、今回でボロが出た、と云えるでしょう。
 信者の方には申し訳ないですが、目標とする完成形が勝間氏では、これが限界です。勿論、個々人の自由なのですが。

 経済論に関しては、特別興味はありません。マクロの視点で理想的な事を語っていて頂ければ良いです。
 只一点、もう少し、インターネットについて学ばれた方が良いと思います。
 そうでないと、他の教養についても、この程度か、と勘違いしてしまいますよ?私の様な人間からすると。

 このブログで敢えて取り上げたのは、勝間氏を批判する為ではなく(批判してますが)、インターネットについて造詣を深めて貰いたい、との願いからです。
 技術的なものではありません。
 以前の記事「Twitterドラマ「素直になれなくて」放映時のTLが面白い!」で北川悦吏子氏のTwitter観でも触れましたが、インターネットに対して斜に構える、若しくは、壁を作るのはナンセンス、と云う事です。
 デジナルネイティブになる事は出来ませんが、耳を傾ける事は出来ます。
 ネットに偏見を持つと云う事は、明らかに、他の分野においても偏見を持っている事の裏返しですから、もう少し理解する必要があります。

 勝間氏のブログが炎上していましたが、これを端から狙ったのであれば、策士、と云えますが、予想出来なかった、或いは、これだから匿名性を、等と思っている様でしたら、最早、ネットについて語る事は止めた方が良いです。
 生活を彩るツールの1つとしてインターネットを活用するだけで充分であり、声高に主張する程の理解力を有していない事になります。

 ビジネスにインターネットを活用する予定のある方は、是非、気を付けて下さい。
 貴方や私のモラルやルール、理想でインターネットを縛る事は出来ません。
 既に、インターネットは環境に溶け込んでいるのですから、これを上手く活用して行きましょう。
 そうでないと勿体ない、と云えます。


 それでは、アリーヴェデルチ♪


posted by EINS at 21:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | この記事をはてなブックマークに登録 | この記事をYahoo!ブックマークに登録 | この記事をBuzzurlに登録 | この記事をニフティクリップに登録 | この記事をlivedoorクリップに登録 | この記事をdel.icio.usに登録 | トピックイットに投稿する
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