2010年04月02日

今更聞けない口コミマーケティングのおさらい

 今更、口コミマーケティング?
 確かに、おっしゃる通りですが、いまだによく分かっていない方がいるのでは、と知人の日記を見て思いましたので、簡単にまとめておきます。

 米国で成功し、日本で騒がれたのも3、4年前の事なので、廃れてしまった感じは否めませんが、成功させれば、これ程強いものもない、それが口コミと云う手法です。

 Lester Wunderman氏が、67年にMITでの講演で、初めてダイレクト・マーケティングのコンセプトを発表し、著書「Being Direct」を97年に発売し、04年にはインターネットへの見解を附記した「ワンダーマンの「売る広告」」が再販されています。
 93年にDon Peppers氏とMartha Rogers氏による著書「The One to One Future」でOne to Oneマーケティングが広く知られる様になりました。
 One to Oneマーケティングは、従来のマス・マーケティングによる新規顧客の獲得に比重を置くのに対し、既存顧客とのインタラクティブで継続的な関係維持に比重を置いた手法です。所謂、CRM(Customer Relationship Management)のコンセプト基盤に当たります。
 CRMシステムでは、One to Oneマーケティングによる販促の筈ですが、ここに新規顧客開拓のダイレクトマーケティング迄もが取り込まれ、混沌とします。
 Seth Godin氏は、予め情報の受け手に許可を得た上でマーケティング・メッセージを届けるパーミッション・マーケティングを99年に著書「Permission Marketing」で知らしめ、不特定多数へのダイレクトマーケティングをインタラプションマーケティングと切って捨て、逆効果だと指摘しました。
 費用対効果を、顧客生涯価値や顧客からのレスポンスが指標となるとし、パーミッション・マーケティングを行うコツは“結果を計測"する事を挙げています。そして、01年の著書「Unleashing the Ideavirus」の中で“最初のパーミッション”を獲得する為の解としてバイラルマーケティングを推奨しています。
 バイラルマーケティングは、米国のベンチャーキャピタルDraper Fisher Jurvetson社のSteve Jurvetson氏が97年頃から使っている用語で、具体的には同社のTim Draper氏がHoTMaiL社のSabeer Bhatia氏等創立者に具体的な手法を授け、Hotmailサービスを大成功に導いています。
 04年に米国でWOMMA(Word Of Mouth Marketing Association:口コミマーケティング協会)が設立され、啓蒙とナレッジ共有、効果測定指標設定、倫理基準設定をその活動の中心とし、バイラルマーケティングはWOMマーケティングの手法の1つとしてカテゴリ分けされています。

09年7月、日本でもThe Word of Mouth Japan Marketing Associationが設立されました。

 既に広く知れ渡っているCGM(Consumer Generated Media:消費者生成メディア)は、所謂、ユーザーである消費者が情報を共有する事で成立し、既に多くのサイトが一部、乃至は全部にこれを取り入れています。

 WOMマーケティングは大別すると2種あり、Organic(自然発生)とAmplified(仕掛け)に区分されます。
 前者は、既存顧客によって齎される中長期的な口コミ効果が、後者は、話題性や何等かの仕掛けによって短期的に口コミ効果の最大化を齎します。
 WOMマーケティングでは、この2種を上手く活用する事で、より効果的にターゲットとの関係構築を目指す事を目的としており、プランニングに大きな比重を置きます。

 その手法についてWOMMAは、11の定義を示しています。

1.バズマーケティング(Buzz Marketing)
 ブランドの話題を喚起する為、注目度の高いエンターテイメントやニュースを活用する。

2.バイラルマーケティング(Viral Marketing)
 主にインターネットや電子メールにより、不特定多数にスピーディーに広まる様、面白い、或いは、参考になる価値あるコンテンツやメッセージを作る。

3.コミュニティマーケティング(Community Marketing)
 ブランドに対する関心を共有するニッチなコミュニティをオン/オフライン問わず創設、或いは、これを支援する。コミュニティサポートのためのツールやコンテンツ、各種情報等を提供する。

4.グラスルーツマーケティング(Grassroots Marketing)
 草の根マーケティングとも。個人レベル、或いは、地域レベルでボランティアを組織化し、活動動機を提供する。

5.エバンジェリストマーケティング(Evangelist Marketing)
 ブランドに代わり、積極的、且つ、能動的にブランドメッセージを広めてくれるエバンジェリスト(煽動者や支援者、ボランティア等)を養成する。満足度の高い顧客が対象となる。

6.プロダクトシーディング(Product Seeding)
 TPOを適切に考慮し、商品情報やサンプル等を目的に合致するイノベーターやアーリーアダプター、著名人等に提供する。

7.インフルエンサーマーケティング(Influencer Marketing)
 商品やサービスに関して話題にしてくれる、周囲の第三者の意見に影響を与え得るコミュニティやオピニオンリーダーを見つけ出し、ターゲットとする。話題に見合う価値ある高品位な商品やサービスである事が前提。

8.コーズマーケティング(Cause Marketing)
 社会問題の緩和や解決、支援等にブランドが関与し、該当する話題に関心ある者に対し、好意度を高め、興味を持たせる。

9.カンバゼーションクリエイション(Conversation Creation)
 口コミが能動的に広がる様、デザイン・設計された、面白可笑しい広告、Eメール、キャッチフレーズ、エンターテインメント、販促活動等全般。

10.ブランドブロギング(Brand Blogging)
 ブランドがスポンサーするブログを作成し、オープン、且つ、透明性の保たれたコミュニケーションを行い、ブログコミュニティに参加。ブロゴスフィアにとって、話題性や有益な情報、情報交換の場所を提供する。
 マイクロブロギングもこれに該当する。

11.リファーラルプログラム(Referral Programs)
 所謂、紹介プログラム。ブランドや商品、サービス、マーケティングメッセージに好感を持つ顧客や支援者に対し、その友人や知人にブランドを紹介するツール等を提供する。

 WOMMAの定義にない、或いは、上記カテゴリに内包するが個別に確立している手法であるエクスペリエンシャルマーケティング(Experiential Marketing)やシーンマーケティング(Scene Marketing)、ダイフュージングマーケティング(Diffusing Marketing)、サンプルマーケティング(Sample Marketing)等も存在しています。


 WOMマーケティングの効果について、懐疑的な意見も多々ありますし、その成否における難易度も指摘されていますが、ミームが存在し、ブランドや流行等、コミュニティの色合いを強く示す限りにおいて、口コミの有効性は確かです。
 問題なのは、その手法や仕掛け、更にはプランニングにおいて、重大なミスを抱えたままにWOMマーケティングに挑む事なのです。
 意図的なWOMマーケティングを十把一絡げにステルスマーケティング (Stealth Marketing)と揶揄する方もいますが、その商品やサービスが良質である事が大前提ですから否定されるべきものではありません。

 但し、所謂、ステルスマーケティングは止めましょう。
 特にMLM(Multi-level marketing)によるコミュニティでのステルスマーケティングが目立ちます。
 安直、且つ、下品な口コミは、只々、マイナス効果しか生みません。
 程度の低い成り済ましは、いい加減止めましょう。

ちなみに、MLMはマーケティングではなく、収益と販路における組織体制であり、マーケティングでも何でもありません。


 記事が長くなり過ぎますので、WOMマーケティングにおける業種別、或いは、より具体的な手法については、またの機会にでもエントリーしますので、ご興味のある方はコメントなり、メールなり下さい。


 それでは、アリーヴェデルチ♪


posted by EINS at 15:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング | この記事をはてなブックマークに登録 | この記事をYahoo!ブックマークに登録 | この記事をBuzzurlに登録 | この記事をニフティクリップに登録 | この記事をlivedoorクリップに登録 | この記事をdel.icio.usに登録 | トピックイットに投稿する
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