2009年10月10日

ポイント制度導入際の注意点

 8日のアメトーーク!SP「家電芸人」の中でユウキロックさんがポイント還元と割引の違いを短時間に関わらず、実に分かり易く説明していました。
 既にご存知の方も多いとは思いますが、ユーザーの立場から云えば、明らかにポイント還元よりも割引の方が有利であり、これは事実です。

例:10,000円の商品購入時、40%ポイント還元と40%割引の場合。
 ポイント還元:10,000円で購入時、4,000円分のポイント付加。10,000円で14,000円の買い物をした事と同じ。
 割引:10,000円の商品を6,000円で購入。6,000円で10,000円の買い物をした事と同じ。
 10,000/14,000=0.714285…つまり、28.5715…%割引に相当し、40%ポイント還元では28.57%割引ですから40%割引処か、30%割引に劣る事になります。
 40%割引の場合、手元に4,000円残り、この4,000円は自由に使えますが、ポイント還元された4,000円分はそのポイント発行元と系列でしか使えませんから、どちらが有効かは明らかです。
 ポイント還元の方が数値を大きく出来ますからそれだけキャッチーな印象をユーザーに与えるのですが、実際の価格では割引の方が大きいのです。


 では、企業やお店としては割引にした方がお客様を獲得し易いのか、と云うとそうではありません。
 寧ろ、ポイント制度を導入したか方が顧客管理に優位に働き、リピーター率を高めるので企業やお店は導入すべき制度と云えます。


 4つの視点から考えてみましょう。

1.ユーザー
2.本部
3.店舗(小売店)
4.オンラインサービス


 ユーザーの視点から見ればポイント還元は割引に劣る訳ですから、消費行動における価格の点のみで枠組を決めてしまうのは得策ではありません。
 ですから、ポイントを電子マネーとして扱うだけに限らず、付帯する何等かのサービスに利用出来る仕掛けと仕組みが必要になるでしょう。

 本部(フランチャイズチェーンの本部やサービス提供元)の場合、ポイント制度は広域な顧客の囲い込みが可能ですから、ポイント分見込客を持っている事になります。
 但し、発行したポイント総数は、そのまま商品やサービスの損益に関与しますから発行量には注意しなければなりません。

 店舗(小売店)の場合、本部によって決定されたポイントがそのままリピーター確保に繋がる、と云う訳ではありません。
 ポイントを店舗で使われた場合、リピート率は高まるものの利益率は減少し、共通利用可能店舗で使われた場合、リピーター確保には至らないのです。
 従って、本部の導入したポイント制度、並びに商店街や組合、何等かのサービスに付随する共通ポイント制度の導入には慎重にならなければなりません。
 商品やサービスそのものの単価にも左右されますから、日用品になればなる程、損失は大きくなる可能性があります。
 他店や共通店からの顧客の流れを確保可能であり、ポイント消費を自店舗内で全て解決する必要性はありませんから、考え方によっては有効とも取れます。

 オンラインサービスの場合、ユーザー管理とアクティブユーザー率に多大な影響を与えます。
 ユーザーがいなければ成立しませんからポイント制度は、それそのものがコンテンツの一つとなります。
 本部同様、発行ポイントを精査しておかないと一瞬で損失となりますから充分、検討しておく必要があります。


 立場によりポイント制度は大きく異なりますが、基本的にはポイントを配っておくと消費行動に繋がり易くなります。
 付加されたポイントを拒むユーザーはいませんから、これを活用(消費)する為にコンシューマとなります。この時の消費行動がプラスに働く限りにおいて、ポイント制度導入は企業やお店にとっては充分なシステムとなります。

 但し、ポイントは擬似的ではあるものの貨幣と同じ様な働きをします。
 ですから、その発行には綿密な計画性が必要になります。

 かつて、株式会社モスフードサービスは、発行したクーポンの利用率が多過ぎてしまい、これを活用された事で損失を出しました。
 また、最近ではビックポイントからsuicaへのチャージ率が2/3となりました。これはsuicaによる消費で更にポイントが付帯されると云う裏技封じの様なものです。


 ポイント制度を導入する事で確実にリピート率と消費率を高める事ができ、顧客管理に有効ですが、そのシステムは事業計画そのものに直結します。
 ですから、ポイントシステムを単なるシステムの一環として安易に導入するのではなく、如何にこれを上手く活用して行くか、緻密な計画が必要となります。
 従って、安価に利用出来ると云うだけでポイントシステムを選択するのは危険ですから注意して下さい。

 純粋な価格のみであれば、数字が大きくなり実数が伴わないポイントよりも割引の方がユーザーにとってみれば有効です。
 であるからこそ、ポイント制度を導入した場合にはユーザーへの効果的な還元を提供しつつ、しかし、確実に利益を獲得すべく見極めが必要です。

 尚、ポイントの共通利用には更に慎重になって下さい。
 商店街や組合、ショッピングモール等、特定地域に根差した共通ポイントの場合、確実に不利益のしわ寄せが起こり得ます。

 例えば、2%のポイントがついた共通ポイントの場合、電気店で10万円の購入をすると2,000円が還元されます。これを飲食店で使った場合、ランチであればほぼ確実に無料でサービスを利用出来ます。
 逆に飲食店で2,000円の食事をした場合、40円のポイントが還元されますが、還元されるポイント量と利用頻度から考えれば、再び飲食店で消費される可能性が高いと云えます。
 これが商品やサービスそのものの価格帯、利用頻度、業種によるポイント損益格差です。

 ポイント制度の導入をシステム化する場合、確実にPOSレジが必要になりますから、損失を被ってからこれを切り替え様とすれば、当然の事ながらハードの入れ替えが伴います。
 安直な地域相互協力的ポイント付帯には気を付けて下さい。


 また、業種によって明らかにポイント制度が不向きなものもあります。

 サンドウィッチマンの葬儀屋、と云うコントがあります。
 葬儀屋なのに「ポイントカードをお持ちですか?」と訊ねるシーンがあります。
 面白いコントですが、実際には導入出来ない典型的な例、と云えます。


 ポイント制度は、提供側も利用者側も賢く使いましょう。


 それでは、アリーヴェデルチ♪


posted by EINS at 18:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | プランニング | この記事をはてなブックマークに登録 | この記事をYahoo!ブックマークに登録 | この記事をBuzzurlに登録 | この記事をニフティクリップに登録 | この記事をlivedoorクリップに登録 | この記事をdel.icio.usに登録 | トピックイットに投稿する
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